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トランプ相場に「援軍」登場


米国で17日(現地時間)に発表された住宅や雇用の指標が相次ぎ改善を示した。
18日午前の東京市場では、米景気回復と利上げ再開への思惑から円相場が約5カ月半ぶりに1ドル=110円台後半まで下落した。
日経平均株価は取引時間中としては1月7日以来、約10カ月ぶりに節目の1万8000円台を回復。
日経平均の午前終値は1万8011円79銭と前日比149円16銭(0.84%)上昇した。
 

米次期大統領による財政拡大路線をはやした「トランプ相場」第1幕はそろそろ一服か。

今週に入ってから米金利上昇の勢いがいったん鈍り、市場参加者の頭の中をそんな考えがよぎったタイミングで、米景気回復と利上げ再開への期待が高まる。

米実体経済の着実な回復を示す指標はそろっている。
景気の先行指標とされる17日発表の10月の米住宅着工件数は前月に比べて25.5%増とおよそ9年ぶりの高水準に達した。
毎週木曜日に発表する新規失業保険の申請者数は43年ぶりの低水準だ。
米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は17日の議会証言で「比較的近い時期の利上げが適切だ」と12月の利上げ再開に自信をのぞかせた。


トランプ米次期大統領の掲げる財政拡大に、実体経済の着実な改善が加われば「米国がけん引する世界の景気回復」というシナリオが期待から現実に変わるかもしれない。
25日から本格的に商戦が始まるが、全米小売業協会(NRF)の予想では今年は昨年比3.6%の販売の伸びが期待できるという。

12月のクリスマスが近づくにつれて主要国の株価が上昇する「年末ラリー」が3年ぶりにやってくるかもしれない。

米国の年間の個人消費の2割を占める年末商戦が好調に立ち上がる見方が広がっているのだ。


もっとも、順風満帆とはいかないかもしれない。
トランプ氏の勝利を予想外にも「いいところ取り」で消化してきた金融市場だが、次の波乱の芽はすでに出ている。
欧州では12月4日のイタリア国民投票を控えて、同国の国債利回りが上昇(価格は下落)。
17日(現地時間)には指標となる独国債との利回り差は2年ぶりの高水準に達した。
イタリアのレンツィ首相は結果次第で辞任すると宣言しており、政治的空白が生じれば、イタリアでも「五つ星運動」などのポピュリズム政党が躍進し、財政再建の流れが止まりかねないとの懸念がじわり広がる。

「援軍」登場に沸いたように見える株式市場でも、投資家は守りの姿勢を崩していない。