東洋経済オンライン / 2016年12月5日

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「投機ポジション」の観察は「市場の後追い」に過ぎない

2016年11月8日に、米大統領選挙でトランプ候補が勝利し、いわゆるトランプ相場が始まった。
為替市場ではドル円が1ドル103円前後付近から、米国が感謝祭休暇に入るまでのわずか2週間もたたずに10円以上も円安ドル高が進んだ。

前回のコラム「円高にこだわると、いつまでも間違える理由」でも述べたが、トランプ大統領でドル高円安となることには筆者にとっては予想どおりだった。
ただ、このスピードにはやや戸惑っている。

こうしたドル円の大幅な値動きをどう考えればよいのか。


一つの解釈は、米大統領選挙が因果関係はともかく、円高になるという事前の見通しが大勢であり、それが裏切られたため、円高方向にかけていたポジションの巻き戻しが一斉に起きた、という説がある。


ただ、実際には、円高が進む、あるいは円高株安になるという見通しは、日本ではほぼコンセンサス化した見方だったかもしれない。
ただ、筆者が真逆で予想していたように、海外の投資家はそうした思い込みは持っていたとは言い難い。


為替アナリストは、自らの予想が間違えた時などに、シカゴ先物市場での投機ポジションの数字を使い、それが投機的な値動きであるため一時的な値動きであると説明することが多い。


ただ、いわゆる投機ポジションはドル円レートの一致指数に過ぎない。
だから、相場の値動きの後追いの解説はできても、将来の予想にはほとんど使えないのである。
これを頻繁に使う為替アナリストは、市場の後追いをしているだけのケースがほとんどであることを、投資家は知っておいたほうが良いだろうと筆者は考えている。


それよりも、為替レートの方向性は、マネーの価値を左右する日本と米国の金融政策によって決まるという大きな原則をもとに、ドル円相場の大きな流れを理解するのが妥当だし、今後の行く末についても考え易いだろう。


足元と同様の大きな円安トレンドが生じた最近の事例を振り返ると、
1)2012年末~2013年春までに1ドル80円前後から100円台まで大きく進んだケース、そして
2)2014年末~2015年半ばまでに100円前後から125円付近まで円安が進んだケース、
の2つが挙げられる。

■日米の金融政策転換がもたらした「ドル高円安相場」

結論から先に言えば、今回のトランプ相場は、過去2つのケース同様に、日米の金融政策の転換
がもたらす大相場と同様に位置づけることができる。
そう考えれば、2年ぶり3回目の大幅円安が起きるのは不思議ではない。
つまり、わずか2週間での10円余りの急ピッチな円安は、「円安の大相場の始まり」と位置付けることができる。
 

「投機ポジション」の観察は「市場の後追い」に過ぎない

2016年11月8日に、米大統領選挙でトランプ候補が勝利し、いわゆるトランプ相場が始まった。
為替市場ではドル円が1ドル103円前後付近から、米国が感謝祭休暇に入るまでのわずか2週間もたたずに10円以上も円安ドル高が進んだ。


前回のコラム「円高にこだわると、いつまでも間違える理由」でも述べたが、トランプ大統領でドル高円安となることには筆者にとっては予想どおりだった。
ただ、このスピードにはやや戸惑っている。
こうしたドル円の大幅な値動きをどう考えればよいのか。


一つの解釈は、米大統領選挙が因果関係はともかく、円高になるという事前の見通しが大勢であり、それが裏切られたため、円高方向にかけていたポジションの巻き戻しが一斉に起きた、という説がある。


ただ、実際には、円高が進む、あるいは円高株安になるという見通しは、日本ではほぼコンセンサス化した見方だったかもしれない。
ただ、筆者が真逆で予想していたように、海外の投資家はそうした思い込みは持っていたとは言い難い。
 

為替アナリストは、自らの予想が間違えた時などに、シカゴ先物市場での投機ポジションの数字を使い、それが投機的な値動きであるため一時的な値動きであると説明することが多い。

ただ、いわゆる投機ポジションはドル円レートの一致指数に過ぎない。

だから、相場の値動きの後追いの解説はできても、将来の予想にはほとんど使えないのである。
これを頻繁に使う為替アナリストは、市場の後追いをしているだけのケースがほとんどであることを、投資家は知っておいたほうが良いだろうと筆者は考えている。


それよりも、為替レートの方向性は、マネーの価値を左右する日本と米国の金融政策によって決まるという大きな原則をもとに、ドル円相場の大きな流れを理解するのが妥当だし、今後の行く末についても考え易いだろう。


足元と同様の大きな円安トレンドが生じた最近の事例を振り返ると、
1)2012年末~2013年春までに1ドル80円前後から100円台まで大きく進んだケース、そして
2)2014年末~2015年半ばまでに100円前後から125円付近まで円安が進んだケース、の2つが挙げられる。
 

■日米の金融政策転換がもたらした「ドル高円安相場」

結論から先に言えば、今回のトランプ相場は、過去2つのケース同様に、日米の金融政策の転換がもたらす大相場と同様に位置づけることができる。
そう考えれば、2年ぶり3回目の大幅円安が起きるのは不思議ではない。

つまり、わずか2週間での10円余りの急ピッチな円安は、「円安の大相場の始まり」と位置付けることができる。 

 


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