東洋経済オンライン / 2016年12月26日より抜粋

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■今の市場は「個人の売りVS外国人の買い」が鮮明

先週(12月19-22日)の日経平均株価は週間ベースでわずか0.14%の上昇となった(22日の終値は1万9427円)。

11月上旬からトランプラリーがスタートして以降7週続伸だが、さすがに上値が重くなっている。


一方、NYダウは2万ドル手前でもたついているほか、英FTSE100、独DAXも上昇率1%未満と勢いは弱まっている様子だ。

さすがに1カ月以上、調整らしい調整が入らない上げ相場が続いていたことを考慮すると、こちらも「上げ一服」となるのは当然かもしれない。

市場では急落を警戒する声が日に日に高まっている。


まずは、東京証券取引所が発表した12月16日時点の投資部門別売買動向を確認してみよう。

この週も、個人投資家が4823億円売り越した。

一方、証券(自己売買部門)が6301億円買い越しているほか、外国人投資家も2534億円買い越し(いずれも先物と現物の合算)。

証券は売り買いの方向性に一貫性はないが、個人投資家はトランプラリー開始の11月7-11日の週から6週連続で売り越している(合計2兆0535億円)。


対照的に外国人投資家は6週連続で買い越しており、合計金額は3兆5353億円。

まさに個人投資家の売りVS外国人投資家の買いといった構図となっている。


一般的に個人投資家は「逆張りスタンス」(上昇局面で売り、下落局面で買い)が多く、外国人投資家は「順張りスタンス」(上昇局面で買い、下落局面で売り)の傾向が見られる。

ボックス相場では、個人投資家主体の相場展開、トレンド相場では外国人投資家主体の相場展開となりがちだ。

現在の相場展開は、トレンド相場のため、まさに外国人投資家の独壇場となっている。

流れに乗り損ねた個人投資家は(国内の機関投資家も)、日本株の調整を待ち望んでいることだろう。


ただ、外国人投資家の売買動向を見る限り、日本株はそう簡単には崩れそうもない。それはなぜか。


トランプラリー開始以降、外国人投資家は日本株を3兆5353億円買い越している。

これを細かく見ると、現物株が2兆2533億円、先物が1兆2820億円だ。

そして、さらに先物の内訳をみると、TOPIX先物(ラージとミニ合算)が1兆1166億円、225先物が1654億円となっている。

225先物を手掛けるときは、比較的短期的なトレードを意識した売買が多い傾向がある。

こうした場合、市場では先行き不透明感が非常に高くなり、日本版恐怖指数といわれる日経VI(ボラティリティ・インデックス)は急騰する。


■相場持続のカギは「外国人のTOPIX先物買い」か


日本株への影響力については、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の存在も取りざたされるが、同法人の「窓口」とされる信託銀行はトランプラリーでは一貫して売り越している(5138億円の売り越し)。

12月第2週(5-9日)は、信託銀行が現物株を2997億円買い越していたが、一方で、同じ週に先物を3133億円売り越していた。

 つまり、9月末に買ったTOPIX先物のポジションをそのまま現物株に置き換えたことから、市場にとってはほぼニュートラル、影響は限定的だったと言えよう。

これらの需給面を整理して、引き続き今週以降の東京市場をみていきたい。

外国人投資家のしっかりとしたTOPIX先物買いが途切れない限り、日本株はしっかりとした値動きが続くだろう。


投資部門別売買動向は発表まで1週間超のタイムラグがあることから、これだけで相場の天井を確認することは難しい。

だが、大きな流れを捉えることは可能だと考える。

 








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