最近の原油相場の上昇を映し、日本の消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除くコアCPIでみて今年3月に前年比1.1%に伸びを高め、10月までは1%台で推移すると試算される。

年明け後、日銀による国債買い入れオペの減額を受け、海外投資家の間で、日銀の政策変更に対する思惑が強まったが、インフレ率が高まる中、こうした傾向は今春にかけて続くか、あるいは、さらに強まる可能性があろう。

米連邦準備理事会(FRB)の利上げ以上に、日銀、そして欧州中銀(ECB)の政策変更が金融市場の焦点となっている感が強く、米利上げに連動したドル高の可能性は当面、遠のいているように見受けられる。

[東京 15日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べドル安/円高の110円後半。前週末からのユーロ高/ドル安の流れにアジア通貨高/ドル安の地合いも加わり、ドル安/円高が進んだ。

原油相場の一段の上昇や円高ドル安の進行を受け、今後のコアCPIの推移について、機械的な試算を行ってみた。試算の前提は、1)原油価格は1月10日時点のWTI原油先物価格のパスに沿って推移する、2)ドル円相場は1ドル111.5円で横ばい、とした。

これらに基づくと、コアCPI・前年比(直近11月は0.9%)は、今年2月に1.0%、3月には1.1%まで伸びを高め、10月まで1%台を維持すると試算される。従来、コアCPIが半年以上の期間にわたって前年比1%台を維持する可能性は低いと予想していたが、原油相場の一段の上昇に伴い、見通しがかなり変化した。一昨年来、コアCPIの前年比1%台での推移が、日銀による政策修正の必要条件になるとの見方があったが、この条件はひとまず満たされそうである。

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ちなみに、2月の全国CPIは3月23日、3月分は4月20日に発表される(3月分の公表スケジュールはまだ正式に発表されていない)。コアCPIが前年比1.1%に達することは金融市場にはまだ完全には織り込まれていないとみられ、実際にこの通りの結果が出てきた場合には、新日銀総裁の下での初会合となる4月26―27日開催の金融政策決定会合を前に、金融政策変更への思惑が一段と強まることも想定される。

新年の外国為替市場では、日銀の国債買い入れオペ減額により、海外投資家の間で、政策変更への思惑が強まり、円高ドル安が進行したが、彼らの思惑が正しいにせよ、そうでないにせよ、こうした市場の構図が当面、続く可能性が否定できなくなっている。


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